一刀流 真木野久兵衛の事

近世(江戸時代)には、多くの随筆が残されている。中世(戦国)末期から江戸末期までの言い伝えや記録が書かれ、その内容は将の言動から下々のもめごとまで幅がひろい。そういった随筆には武芸者について書かれた事も数多くある。あまり知られていない部分…

一刀流外物之事目録

この目録は九箇条の教えから構成されている。一箇条から八箇条までは生活のなかでの注意すべき事。九箇条は小太刀または脇差による護身術のようなもので、広い意味での小具足腰廻(柔術)に分類されよう。 一刀流外物之事目録 一、万物味方心得之事万物を皆…

日本最古の当身文献    柳生新陰流『外の物の事』「小脇差居相とりでの事」

柳生新陰流『外の物の事』「小脇差居相とりでの事」 一、こわきさしなとにてつくもの、むねの目付をとむる心よし。左をいたしかゝるものにハ、左のかいなのそてをとるよし。人をつくときハ右のそでをとり、ひざを足にておさへ、のとのからをかく分別よし。さ…

武家に伝わった忍術伝『水鏡』

忍びの術は江戸時代には武家にも伝わった。武家に伝わる場合は「兵法」の一分野という考え方であった。いくつか見たが内容は大同小異であった。 序夫武士の技芸は多端たりといえども、柔剛強弱の四つの外を出ず。これを知らざる者多くこの理を学び得る者は少…